1987年 アメリカ合衆国

脚本 ボブ・ハント 氏

監督 ジャック・ショルダー 氏

キャスト  マイケル・ヌーリー氏、カイル・マクラクラン 氏 他

　ロサンゼルス市警に勤める刑事・ベックは、熾烈なカーチェイスの末に凶悪犯を逮捕する。しかし、調査の結果浮き彫りになったその素性は、どこから見ても非の打ち所のない常識人だった。善人の豹変としか言いようのない、奇妙な事態に困惑するベック。そんな彼のもとを突然、FBI捜査官を名乗る男・ギャラガーが訪ねる。

　刑事のプライドゆえにFBIからの介入を認められず、最初は彼を拒絶するベック。だが、ギャラガーの予言めいた言葉通り、奇妙な事件は再び発生し……。

　第16回アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭（現ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭）グランプリ受賞作品。繰り返される奇妙な凶悪事件の謎を追い、実力派刑事と謎めいたFBI捜査官の凸凹コンビが活躍するアクションホラーSF。

　視聴前は会話劇が多めなバディものかと想像していましたが、実際の内容は凶悪犯とのカーチェイスや銃撃戦に比重が置かれた内容でした。基本的に乗り移られた人間を追いかけて派手なアクションという流れではありますが、それだけに時おり挟まれる何気ない日常や、主人公・トム刑事の家族に対する愛情深さが印象深くも思われます。カイル・マクラクラン氏扮するギャラガーの浮世離れした佇まいや端正なルックスと、トム刑事のいい意味での俗っぽさや人情味がどちらも魅力的で、お互いを引き立てあっているように感じました。

　解釈を見た者の判断に任せるような曖昧さを帯びた物語の締めくくりも、鑑賞後に不思議な余韻を残します。

　2017年5月現在は廉価盤DVDが発売され、安価で新品を入手しやすくなっています。また、各種オンラインレンタルサービスでも比較的取り扱いが多いようです。

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